早くも2回目となりました。始まったばかりのこのブログですから、まだ多くの方の目に触れることは少ないと思いますが、この先ずっと続けていこうと思っております。私ハートちゃんです。未来から、さかのぼってこのページを見て頂いている方にも感謝いたします。
さて、今回はハートケアグループの原点となった「ケアホーム羽曳が丘」の事をお話ししたいと思います。会社と私が誕生した場所。当時は今の名称ではなく、「ケアハウス羽曳が丘」という名前で青空に映える白い建物でした。春になれば、近所の庭に咲いた大きな桜の色が加わり、空色と桜色と白色の感じが何とも清々しく感じるそんな印象があります。
開設したばかりのケアハウス羽曳が丘は今のように介護保険もなかったころに作られたため、利用するには月に最低20万円の宿泊費用が必要でした。介護費用は軽度・中度・重度に分け5~15万円で、個室ともなると月に30万円となり、なかなか気軽に利用できるものではありませんでしたが、1泊2日の利用も可能でその料金は7,000円からと、短期間での利用も可能でした。「夜は家族が看れるので、日中だけ預かってほしい」「ひとり暮らしで寂しいから夜だけ泊めてほしい」との要望にも応えました。
ですが全て自費で支払う必要があったために、また時代的な背景として自分の家族を施設に入れることに対して今よりも心理的な葛藤も強くあったために、利用する方は少なく、当初は軌道に乗るか不安の毎日だったそうですが、それでも必要としている方々がいる事を信じ、また様々な工夫で少しずつ前進し、今に至るそうです。
それから、当時はケアハウスの道路に面したほんの小さな生け垣に欅(ケヤキ)の木があり、その名を意味する「ゼルコバ」という喫茶店もありました。地元の方々に喜んで頂くために、コーヒーなどに使う水はずいぶん遠い所から手に入れてきたそうで、今でもその名残か、会社で飲むコーヒーは、その時からのお付き合いのある店の豆を挽いたものだそうです。
残念なことに、面会に来た家族と美味しいコーヒーと美味しい食事でゆったりとした時間を過ごして頂きたいとの思いと、地域の方々に施設を少しでも知って頂きたいという思いで始めた喫茶店は、採算度外視で自然食品など素材にこだわりすぎてしまったために2年で終わってしまいました。地元の方々には、むかし安くておいしい喫茶店が交番の近くにあったという思い出と、初めて会社を立ち上げた職員の「純利益の事も考えなければならなかった…」との、ほろ苦い思い出だけが残っているそうです。
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