近年中学生の職業体験学習が盛んに行われています。「様々な仕事について働いている人からの話を聞き、自分の進路を考えるきっかけにする」という事で、ハートケアグループにも数年前から地元の中学校から講演依頼があります。今回は藤井寺市の道明寺中学校です。10月21日(火)に訪問すると、当社の他に、幼稚園、新聞社、ハローワーク、美容師の方々が来られていました。180名の2年生を5つのクラスに分け、5社が担当クラスで講演をするという形でした。
「おじいちゃん、おばあちゃんと同居してる人はいますか?」という質問に「はい」と答えた生徒さんはクラスで3人だけでした。日本は超高齢化社会ですが、核家族化が進み子供達は高齢者と関わる機会が少ないのが実態なのかもしれません。
そんな生徒さん達に、限られた時間でどこまで伝えることができるのか不安ながらも講演はスタートしました。
病気や障害、そして年を重ねることで生活のしにくさがある方々に、その解決を一緒に考え、方法を見つけ出し、全部手伝うのではなく自分でできるように支援するのが介護の仕事だということ。支援方法の正解はひとつではなく、考える力も付き、自分も人間として成長できること。身体が不自由になっても意欲を持つ事が大切で、目標があれば人は前向きに進むことができ、その意欲を引き出してあげるのも介護の大事な仕事であること。また、働く上で大事なことは、相手を受け入れ、心の声を聴くことで、それをせず自分の考えを押し付けるのは無理なこと。相手が仕事仲間であっても、介護する相手であっても、人と接するときのルールであり、コミュニケーションが一番大事なこと。などということを説明しました。
そして、「介護の仕事ってどんなイメージですか?」と質問すると、「しんどい」「たいへんそう」という声が上がりました。世間でもそのように言われていますが、生きがいを感じて頂けるよう、お一人おひとりに向き合って支援できると、大きな喜びややりがいにつながる仕事です。
最後に、「人は椅子から立ち上がる時、どういう動きをしていますか?皆さん、足を前に出して座ってみて下さい。そのまま立ち上がれますか?」と問いかけてみました。
生徒さんに考えてもらってから、「足を引いて、頭を下げていくとスムーズに立ち上がれますね」と、身体で実感して頂きました。身体が自然に動く一つひとつの動作を理解して無理のない動作で介護する事も大切であることも感じてもらえたようです。
講演から一週間後、道明寺中学校より講演協力のお礼と生徒さんの感想文を送ってきて下さいました。感想を読んでとても感動しました!
少し紹介しますと、
・できないことを工夫してできるようにしてあげるということになるほどと思った。
・孫の結婚式に出席するためにリハビリをして数メートル歩けるようになったおばあさんの話に感動した。
・普通に介護するのじゃなくて利用者さんに喜びや達成感を味わってもらう事も介護の仕事なんだ。
・『相手を知って受け入れる』この言葉がすごく好きになった。
・コミュニケーションを大切にしようと思った。
・自分も人間として成長できる仕事で、ヘルパーをやりたいと思った。
・介護の仕事はしんどそうという今まで思っていたイメージとは違うと気付いた。
・遠くに住んでいる祖母に会いたくなった。大事にしようと思った。
等々です。
このように、皆さんこちらの伝えたかったことをしっかり聴き取って理解してくれていたのです!どの程度伝わっていたのか不安に思っていたので、大きな驚きと感動でした。そして、介護職について伝えていくことの大切さも実感しました。