デイルーム藤井寺をご利用の佐藤初男様(57歳)は10年前に脳出血を患われ、右手が動きにくくなりました。その後左手でぬり絵を始められ、以来10年間ライフワークとしてずっとぬり絵を続けてこられました。そして現在、デイルーム藤井寺で作品展を開催しています。作品展を見せて頂き、佐藤様にお話を伺ってきましたのでご紹介します。
作品展では、10年前と7年前の作品を1枚ずつ、そして現在の作品を13枚展示しています。見比べると、作品の上達ふりは一目瞭然です。10年前は、図案も簡単で苦戦しながら塗っていたことがうかがえる作品です。現在は、図案も細かく色の濃淡など繊細な表現が美しい仕上がりの作品になっています。(下写真左側が10年前と7年前の作品、右側4枚は現在の作品)
最近は「大人のぬり絵」がブームになっていてテレビでも取り上げられていますが、色々なぬり絵の本が出版されているようです。佐藤様はほとんどの本を購入されていて、現在「大人のぬり絵 京都の風景編」に取り組まれています。京都の素晴らしい景色、水辺に写り込んだ揺らぎのある風景、木々や空の美しさ…、素敵な絵ばかりです。左手だけで、塗りやすいように紙をうまく回転させては押さえながら塗るという事を繰り返されます。先のとがった色鉛筆で、しかも鉛筆を寝かすのでなく立てた状態で細い線で塗ります。
デイルーム藤井寺に来られる週3日は、リハビリや入浴以外の時間に、びっちり2時間他からの声が聞こえないくらいの集中力でぬり絵の世界に没頭されています。塗りながら次に塗る部分の色を考えていくそうで、塗っているときが一番楽しいそうです。どんな図案を塗ろうか、どんな色にしようか、ぬり絵は佐藤様の楽しいひと時で、今や生きがいとなっています。
パステル調の明るい色がお好きで、仕上がった作品からは佐藤様の優しい人柄がうかがえます。また、佐藤様の作品は大人気で、たくさんの方々にプレゼントされているそうです。次の写真は、佐藤様の最近の一番のお気に入り作品です。美しいですね!
若くして脳出血を発症され右半身マヒや言語障害の後遺症があり、大きなショックを受けたことは間違いありませんが、10年間継続してきたぬり絵が生きがいとなっていることをうれしく思います。思ってる言葉がなかなか出にくい場面もありましたが、根気よく取材に応じてくださり、本当にありがとうございました。息子様の帰宅時間が遅いので入浴は「デイルーム藤井寺」で済まされ、リハビリやぬり絵以外には、将棋、カラオケなども楽しまれています。
最後に、担当療法士の荒田との記念撮影と、「デイルーム藤井寺」の2階リハビリフロアに飾られている佐藤様の作品を紹介します。