平成28年3月25日(金)パープルホール別館にてNPO法人ケア・ユニゾンが主催する「認知症の理解を深める研修会」が開催されました。
1横井先生.jpg
今年度は、関西福祉科学大学准教授 横井賀津志先生が認知症の方の心境および行動を脳から紐解いて、認知症の方への対応やリハビリテーション方法などを分かりやすく説明して下さいました。
2P1120910-500.jpg
毎年、ハートケアグループでは全営業所(職員)に必修研修として認知症をテーマに研修会を提供していますが、今年は介護職・看護職・療法士・事務職など53名の職員が参加し、たくさんの意見と感想を頂きました。参加者からの感想を少しですが紹介致します。
3認知症研修会2.jpg
【看護職】
認知症にも様々なタイプがありますが、それだけではなく、その人に関わる活動が行動に表れることも多いと思いました。活動や活動する意味合いについて、もっと理解することが出来たら、
よりよい支援が出来るのではないかと感じました。
【介護職】
一つ一つの事例から、その人の過去の生活を知り、その人にとって何が大事なのかを知ることで、その人に合わせたケアが出来ると分かり、大変参考になりました。
また認知症の種類を知り、それに合う様に我々が動いていくことがとても大事なのだと改めて感じました。
4P1120913.jpg
【事務職】
家族が脳梗塞から認知症になり、認知症の方はどういう気持ちでいるのか、どうしてもらいたいのか、など認知症のことを少しでも知りたいという思いでこの研修会に参加しました。
認知症の方を理解するには、その方が今まで生きてきた上で、何に元気をもらってきたのか、何をすることで心機一転できたのか、何に偉大さを感じたのか、何をどうすることでリズムが整っていたのか、何が心地よかったのか、など本人にとってどのような作業を大切にしてきたのかを理解することが大事なのだと知りました。その方が自分らしさを感じ、生きていると実感できる活動(その方が大切にしてきた自分にとっての意味合いの強い活動)を理解することができれば、その方に本当の意味で寄り添うことができるようになるのだと思いました。認知症を発症後もその人らしさを保つためには、その人が大切にしてきた意味合いの強い活動を行うことが大切で、それはまた認知症の予防にも効果が期待されているそうです。
『物忘れ』についてですが、「生理的な物忘れ」と「認知症の物忘れ」は違い、何を食べたかは忘れてもご飯を食べたという事実は覚えているのが「生理的な物忘れ」で、何を食べたかだけではなくご飯を食べたという事実も忘れるのが「認知症の物忘れ」という事です。認知症の方も話し言葉のやり取りはできるのですが、直後にでもその記憶が消え去り同じことを何回も繰り返し話します。それでも初めて聞いたという対応をしてあげることが大切なのだそうです。
そして、認知症の方は、名詞は覚えられないけれども、その時味わった感情(形容詞)は覚えているのだそうです。自分が関わった時その相手にどんな形容詞が残ったかを考えると、次の関わりが変わってくると、先生はおっしゃっていました。この言葉が強く私の心に残っています。
5物忘れ.jpg
ハートケアグループでは、今後も認知症の理解を深める活動を続けていきます。