今回はいつもとは違う趣向を凝らし、ハートケアグループの役員にインタビューを決行いたしました。私のキャラクターをもってすれば、何でも応えてくれるかな?と少し掘り下げた内容にもチャレンジしたいと思います。

ハートケアグループ役員へのインタビュー-プロフィール

―  それではまず、一つ目の質問です。私についてですが、ハートちゃんを作ったきっかけと思いは何でしょうか?

有限会社大阪ホームケアサービスを最初に立ち上げ、1988年5月、ケアホーム羽曳が丘の竣工式の時に「ああ、いよいよこれから始まるんだ」という想いと覚悟と、これから大空に鳥のように羽ばたいていく決意から生まれました。会社は小さかったので、まだ小鳥でしたね。手書きのデザインは立ち上げ当初から考えていましたが、開業からしばらくして、パンフレットなどPRが必要になった時に本格的に生み出すこととなりました。原画と羽ばたくイメージを大事にしたものをデザイン会社が形にしてくれました。

また、クローバーについては最初から入れたいと思いました。葉がハートの形で、それぞれはご利用者・ご家族・社員・会社のハート。四つの葉が一つになることで「幸せの実現」になることを目指しました。
生まれてしばらくは名前がありませんでしたが、社内で公募してハートちゃんとなりました。ハートちゃんのマークはデイサービスを始めたころから送迎車に付けて知名度をあげ、広がっていきました。

ハートケアグループ役員へのインタビュー-イメージ

―  葉っぱにも込められたものがあったんですね。クローバーのイメージから会社のイメージカラーもグリーンなのでしょうか?その他にイメージしているものもありますか?

安心と快適、自然界の樹や植物、平和、安らぎ、癒し、社会貢献のイメージです。

―  では次は会社について伺います。企業の理念を考えられたそうですが、その時のエピソードや伝えたいことはありますか?

スローガンにある『快適をご利用者に 安心をご家族に』は会社を始めたころに、自分たちの思いが社員にどうしたら届くかを、突き詰めて考えました。
社員やご利用者とそのご家族みんなの心に留めてもらいたい、一番伝えたい実現したい究極の思いです。

―  理念を考えられた時に社員の事も思われたのですか?

ご利用者や家族の思いをくみ取って、相手の気持ちになって接してほしいからですね。
気持ちよく過ごしてもらえるように、自分たちや自分の家族が住んでみたいと思える施設にしてほしい。「自分たちが入りたくなるような施設」。この想いを社員みんなの力を集結してこれからも取り組んでほしいですね。

ハートケアグループ役員へのインタビュー-写真1

―  会社がスタートして30年の節目を迎えましたが、その中で一番つらかったこと、苦労したこと、そのなかでも特に印象に残っていることを教えてください。

始めた当初、地域の中にオープンしたことをアピールしたけれど、知名度が全くなかったので3年間で利用者は3人だけでした。介護保険の無い時代だったので、全額実費となり料金も高く、なかなか利用することも難しかったかもしれませんね。周囲には2年でつぶれるとも言われましたが、整骨院と喫茶店など併設施設のサービスで頑張って、お金もない中で当時の社員は、ほぼボランテイア感覚で昼間も夜も働いて施設を支えてくれました。資金繰りの苦労はたくさんありましたが、仕事に対する夢や使命感と楽しさが先にありましたので乗り越えてこられました。

一番つらかった事は認知症に対する理解があまり無い時代でしたので、認知症の利用者と他の利用者が一緒に同じ部屋で過ごす事が考えられないと、認知症の事をあまり知らない家族の方に理解が得られず、厚生省(当時)に訴えるとクレームがあり、会社はもう終わるかと思いました。ご家族も大切な親を思っての事だったとは思います。ご本人は寝たきりでしたが明るく楽しい方で、ケアホームで穏やかに生活し人気者でしたが、泣きながら東京の息子の近くの施設に移り、2か月後に亡くなられました。

―  一般的に認知していただく事の難しさがあったのですね。ではうれしかったことは?

ご利用者やご家族の感謝の言葉ですね。それから、もう30年になりますので施設自体が小さくて古くなり、見た目も…と言われる事もありましたが、それでも『ここに入ってよかった』という言葉を頂いた時は嬉しかったです。ご利用者と社員の距離が近くにある事も大切な事と考えておりますので、その想いが伝わったのかなと思います。あと、ご利用者が一時帰宅することがありますが、ケアホームが良いとすぐに戻って来てくれたこともありました。ちょっとニコッとなりますね。

そして最近は新卒の方が当社を選んでくれるようになった事。毎年選んでくれる方がいるので本当に感謝しています。柔軟で新鮮な目で次世代の会社を担っていってほしいと思いますし、彼らの期待に応えていきたいですね。それから職員で言えば退職した方が、またここで働きたいと戻ってきてくれること。これもありがたくて嬉しいことです。

―  今やっと一般的な業界となってきていますが、給料が安いのに労働が大変というイメージもあります。そんな中でも選んで頂けることは本当にありがたいですね。

30年間の間に色々な危機がありましたが、その度に、社員みんなが一丸となって知恵を出し合い、力を合わせて助けてくれたことで乗り切ってきた結果です。数々の失敗を活かして、その都度情報を共有し、その対策として多くのルールやマニュアルを作って来たのが活きていると思います。会社の信用力も上がってきていると感じます。

―  「利用者さんのためなら!」と職員の皆さんが快く引き受けてくださる場面は私も胸が熱くなります。なんというか、人としてのあったかい部分を感じるんですよね。
利用者の方々との日常の中で楽しかったことを一つ教えてくださるとしたら何でしょうか?

介護保険がなかった頃は規制が何もなかったので、自由に利用者と「今日は天気がいいからドライブに行こう!」で、すぐに行くことができて楽しかったです。喫茶店に寄ってお茶を飲んだり、デパートで食事をしたりもしました。 今は介護保険の制限があるので記録も多いし、大変です。

ハートケアグループ役員へのインタビュー-写真2

―  では最後の質問です。ハートケアの今後について思う事や伝えたいことは?

社員が自分の親を預けたり、自分自身も入ってくれる施設にしたいです。そして、社員の皆さんには会社の未開拓の部分への提案や挑戦もしてほしいです。

私が心にとどめている格言に、吉田松陰の【夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし】という言葉があります。社員の皆さんには大きな夢や理想を持って挑戦し、仕事に励んでほしいですね。
毎日の仕事をただこなすだけではなく、ご利用者の笑顔や感謝の言葉が溢れる毎日を築いていってほしいです。どうしたら可能かをいつも考えて仕事をしてほしいです。

―  挑戦することと、挑戦する上での心がけを教えてくださり、私も頑張りたいと思います。
もうひとつ伺いたいのですが、会社がスタートしたあの頃と比べて今思う事は何でしょうか?それから私も会社の一員として成長しましたでしょうか?

小鳥をイメージした頃からみると、今はあの頃よりも遥かに羽ばたけるようになったと思います。
幸運もありましたが、みんなが助けてくれました。会社が大きくなった分、創業の想いが社員一人一人になかなか伝わりにくくなっています。これが大きな課題ですが、ここを乗り越えたらさらに会社は発展します。これからも限りなく羽ばたけるようにしていきたいですね。

ハートちゃんは会社のマスコットキャラクターとして、これからも大いに期待しますよ。ずいぶん大きく成長しましたね。

ハートケアグループ役員へのインタビュー-写真3

以上が、インタビューとなります。ズバッと切り込んでいくと意気込んでみましたが、やっぱりガチガチに緊張してしまいました。ですが、利用者の皆様やご家族のこと、職員の方々への思いを聞くと、30年積み重ねてきた厚みというか重みを感じまして、聞き入ってしまいました。

主なインタビューではハートケアグループについて伺いましたが、プライベートな事を伺うと、趣味は宮古島や国内外の離島で蒼い海を観る事と、国内外の美術館巡りがお好きだそうです。

役員さんへ質問するプレッシャーがありましたが、インタビュー写真を見ると、見た目的には私の方が大きすぎました…。いやはや恐縮いたします。

ハートケアグループ役員へのインタビュー-写真4