事例集とヒヤリ・ハットのページに「訪問介護(成功事例):サービス拒否認知症利用者との信頼関係作り」を掲載しました。
2013年3月 のアーカイブ
『事例集とヒヤリ・ハット』事例掲載のお知らせ
2013年3月13日 水曜日訪問介護(成功事例):サービス拒否認知症利用者との信頼関係作り
2013年3月13日 水曜日本人像:80代女性/要介護4 胃潰瘍、ラクナ梗塞、高血圧症、認知症
利用までの経緯
認知症の進行により独居生活での生活管理能力が低下。部屋の整理整頓もできず、1年中コタツで寝起きし、外出を面倒がる。入浴など身の回りのことができないにもかかわらず「できている」と言い、清潔も保たれていないので親族が心配し訪問介護サービスの利用開始となる。
援助の働きかけ
気が優しく働き者であった昔は人の世話になったことがなく気ままに生活していたため、ヘルパーの訪問に対し、「年寄り扱いして…まだまだなんでも一人でできている。来ないでほしい」と訪問拒否を繰り返した。サービスキャンセルが3回続き、一時サービス保留になったこともあったが、週一のサービスから再開し、本人の生活スタイルを大切に根気よく話をゆっくり聞くことに努め、常勤ヘルパーで対応した。訪問の際は、ヘルパーを名乗ると「用はない」と怒って拒否するため、名前を言って玄関扉を開けてもらい本人の話を傾聴することに徹した。お話好きのため、根気よく話を聞いているうちに信頼関係ができた。
(1)家事援助のタイミング
話を聞きながらさりげなく台所で手を洗わせてもらうなど台所へ行くきっかけを作り、シンクに食器がいっぱいなので「一緒に食器を洗いましょうか?」とさりげなく声かけをした。機嫌が良ければ一緒に洗ってくれた。食品の買い物については「一緒に買い物に行きましょうか?」と声かけをし、応じてくれれば買い物に同行した。
洗濯に関しては、「洗濯します」と言うと「せんでいい、自分でできる」と言うので洗濯機に洗濯物を入れて洗うことにし、洗濯が終わった時に「洗濯できてるよ。一緒に干しましょう」と言って誘うことにした。調子の良い時は一緒に干せるようになった。
(2)身体清潔
信頼関係ができたらデイサービスを利用するように勧めた。入浴することは伝えず、とりあえず送迎車でデイに送り出してみたが、やはりデイで激しい入浴拒否があり、しばらくヘルパーに対しても「裏切り者」と罵っていた。しかし、認知症のためその後すぐに忘れ、ヘルパーとの信頼関係に影響はなかった。次に、ヘルパーから入浴への働きかけをしてみたが、失敗に終わった。しかし、顔の清拭はさせてもらえるようになった。
サービス開始から6年後、ヘルパー事業所と同じ営業所内にデイサービスができたことをきっかけに、コーヒー好きなので「喫茶店に行こう」と誘ってデイに連れて行った。そこには顔馴染みのヘルパーやケアマネージャーが居るので安心し、「ここやったら安心や」と言って入浴ができるようになった。
結果とまとめ
サービス開始当初は、よく怒って入室も拒否していたが、根気よく話を聞き、コミュニケーションを図ることで一通りの家事援助が行えるタイミングがつかめるようになった。現在でも「何でも自分でできる」と言っているが、体力低下もあり、ヘルパー拒否はなくなった。長い間の課題であった入浴については、ヘルパー事業所にデイができたことと顔馴染みのヘルパーが居て安心したことで入浴拒否はなくなった。
ヘルパーの仕事は家事援助や身体介護サービスを通して利用者の生活を支えることであるが、それ以上に利用者との信頼関係を築く力が大切である。
本事例は、認知症で介護拒否の利用者に対し、ヘルパーがサービスを焦らず対話により根気よく信頼関係を築いたことで、一通りの家事援助が行えるまでになり、利用者の生活を支えることができた事例と言える。
養成講座開講情報(大阪府内)
2013年3月12日 火曜日平成25年3月7日現在の、大阪府内の事業所での養成研修講座の開講予定をUPしました。
ガイドヘルパー養成講座・ホームヘルパー養成講座・介護職員初任者研修・介護職員基礎研修・同行援護従業者養成研修の直近4か月分の開講予定がご覧になれます。
詳しくは、『資料のダウンロード』のページ内の大阪府養成研修講座資料の項目をご覧下さい。
青蓮荘だより3月号
2013年3月11日 月曜日青蓮荘だより3月号をアップしました。
職員募集(看護職員)
2013年3月8日 金曜日デイセンターリハビリプラザ富田林の看護職員(パート)を募集しています。
詳細は、職員募集のページをご覧ください。
『事例集とヒヤリ・ハット』事例掲載のお知らせ
2013年3月5日 火曜日事例集とヒヤリ・ハットのページに「通所介護(成功事例):リフト浴から歩行入浴へ」を掲載しました。
通所介護(成功事例):リフト浴から歩行入浴へ
2013年3月5日 火曜日本人像:60代男性/要介護4 脳出血後の後遺症 右片麻痺
利用までの経緯
脳出血後後遺症で右上下肢の麻痺と言語に少し支障をきたしている。同居している母も高齢で要介護状態であった。本人のリハビリへの意欲が高く、通所介護を利用して残存機能の維持向上をし、自力での入浴など日常生活でできることを増やすため通所介護を利用することになった。
援助方針と働きかけ
リフト浴ではなく、自分で歩いてお風呂に入りたいという本人の希望を実現するために、右上下肢筋力向上のためのリハビリを通所にて行うことが決まる。第一段階として、リフト浴をやめ、車椅子で浴室まで行き、浴室の中で浴槽と同じ高さのシャワーチェアに移り、座ったままお尻で回転して浴槽をまたぐことを目標にした。それができるようになると、次の段階では、シャワーチェアを使わずに車椅子から立ち上がり、手すりを掴みつつ浴槽をまたぐことを目標にした。転倒に注意しつつ見守り介助しながら、本人の意思にそって進めた。体調の波があるためリハビリの成果は前進したり後退したりを繰り返しながらも、本人の強い意欲によって第二段階の目標もクリアできた。最後の段階としては、浴室の中まで車椅子を利用するのをやめ、ゆっくり歩いて浴室に入ることを目標にした。リハビリの結果、脱衣所までは杖歩行、浴室までは杖なしでゆっくり歩行でき、手すりを掴んで立って浴槽に入れるようになった。
結果とまとめ
61歳の時、脳出血で倒れ右片麻痺、言語障害が残ったが、本人は自立したい思いが強く、歩行での入浴を望んでいた。通所サービスを利用し、膝を伸ばして地面を踏ん張れるようにパワーリハビリ機器「ホリゾンタルレッグプレス」を使用して訓練し、他に体のバランス改善を目的に重心移動の練習を繰り返した。通所でリハビリ訓練をしながら趣味クラブ(ちぎり絵)にも熱心に参加した。本人の希望を尊重し、リハビリ計画を本人が自信を持てた状態で段階をふんで進めていったことで歩行での入浴が可能となったと思われる。意欲とリハビリの成果事例と言える。
営業所通信3月号
2013年3月1日 金曜日営業所通信3月号をアップしました。