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タイトル
マーク 2010.08.12 line 通所介護(成功事例):口臭が改善され、他者との会話機会が増えた

事例

本人像:58歳女性 要介護2/若年性認知症


(サービスに至る経緯)

体力維持、社会参加を目的にデイサービスを利用していた。認知症が進むにつれ、食後の歯磨きをしなくなった。家族も日々の介護に手一杯で口腔ケアができていない状態だった。認知症のため会話が続けにくくなってきたのと同時に口臭が強く、他利用者から避けられるようになり、一人で過ごすことが増えたため、口腔機能向上プログラムへの参加を勧める。


(開始時の状況)

・話しかけると短文で答えられるが、会話が続かない状態。
・歯磨きの誘導をするが、拒否されることが多い。
・歯茎には食べ物の残渣が多く、口臭もかなりきつい。


(対策)

食事前の集団口腔体操では、その場に参加しているだけであったため、より個別的な関わりが必要であると担当者会議で話し合い、口腔機能向上プログラムを実施する。


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ヒント


(経過)

1ヶ月目:歯磨き、口腔清拭に対し拒否することが多く、プログラムへの参加は困難であった。そのためプログラムは休止し、歯科導入を勧める。
3ヶ月目:以前からの残渣物はかなり軽減し、口腔ケアに対しての拒否も減ってきた。歯科通院が終了となったが、歯磨きの自立が困難であったため口腔プログラム再開となる。
4ヶ月目:アイス綿棒を用いて口腔マッサージを導入する。「冷たくて気持ちがいい」と受け入れは良好であった。
5ヶ月目:歯磨き誘導すると、歯磨きをするようになった。スタッフによる歯磨き援助も拒否をしなくなった。口唇、舌の体操も鏡を見ながら行うようになった。
8ヶ月目:鏡を見ながら口腔体操もしっかり行うようになりスタッフと話をする時間が増えた。
12ヵ月目:集団での口腔体操もしっかりとするようになった。食後は誘導、一部介助が必要であるが、歯磨きをしっかりするようになったため、口臭が激減した。自分から話題提供することもあり、他の利用者と会話する場面が多く見られるようになった。


(現在の状況)

・発生練習も兼ねた会話の時間を楽しみにしており、以前の仕事や家族の話など、会話の幅がかなり広がった。
・他の利用者とも会話する機会が増え、以前に比べると表情もかなり明るくなった。
・自宅での歯磨きは、夜のみ家族誘導で行っている。その他は、できる時はうがいをするなどの機会が増えてきた。


(家族の声)

「以前が介助の仕方が分からず、拒否が強かったために歯磨きまで手が回らなかった。今は声をかけて洗面台まで連れて行けば、自分で磨いてくれるので、とても助かっています。」


(まとめ)

口腔ケアに対して、口の中をきれいにするという意識はあっても、誤嚥性肺炎の危険や、口臭によるコミュニケーションへの影響など知られていないことが多い。叉、口腔機能が低下すると嚥下障害や話し言葉などの問題も起こってくる。しかし、口の中を見られることを拒絶されることもあり、口腔ケアのの導入は利用者に合わせて進めていくことが必要である。
今回、歯科受診を勧めたことで口腔機能向上プログラムへの導入がスムーズに行えた。口腔ケアを続けることで口臭が改善され、他者とのコミュニケーション機会が増え、生活の質が向上したと考える。

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