事例
本人像:91歳男性 要介護4/パーキンソン病
(相談内容)
パーキンソン病が徐々に進行し、歩行不安定で床からの起き上がりができない。自宅内では壁や家具につかまり、一人で歩行して転倒することが多くなってきている。床に布団を敷いて寝ているが、床から自力での起き上がりができないため、妻の介助で起き上がっている状況。何か良い方策がないかと相談があった。
(提案及び方策)
①手すり付きの電動ベッドを導入し、起き上がり動作の自立、ベッドの高さを調整することで立ち上がり動作も自立することで安全性を確保する。
②浴室、トイレ、廊下に手すりを設置し、自宅内の歩行の安全性を図る。
③車椅子、歩行器のレンタルをすることで屋内外の移動の安全性を向上を図る。
ヒント
(結果)
①電動ベッドの利用により、起き上がり動作及び立ち座り動作が自立して安全にできるようになった。
②手すりの設置により自宅内の移動やトイレ、入浴が自立して安全に行えるようになった。
③一部介助が必要であるが車椅子、歩行器のレンタルにより外出時の移動が安全に行えるようになった。
(本人・家族の声)
本人の声:「手すりを必要な場所に取り付けてもらったし、ベッドなどを利用することで自分でも、できることが増えたので大変嬉しいです。」
家族の声:「本人も自立することが増えて喜んでいますし、私の介護負担も少なくなったので嬉しいです。」
(ポイント)
加齢や病気の進行によって困難になってきた日常生活動作が、住宅改修や福祉用具の利用によって可能になるケースが多くあります。
本人の身体状況に適した福祉用具を選定することにより、安全性の向上と介護負担軽減につながった。
(手すりの豆知識)
手すりの役割は、歩行時の身体の支えや目的場所までの誘導、トイレやお風呂などでの動作時の姿勢の保持、転倒・転落の防止などの役割がある。手すりにも様々な形状のものがあり、用途や身体状況などに応じて、適切な手すりを選ぶことが大切となる。