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タイトル
マーク 2013.03.21 line ケアプラン(成功事例):うつ症状のある閉じこもりがちな独居男性の支援

本人像:70代男性/要介護2 変形性腰椎症 不安神経症

 

利用までの経緯

主治医より生活面に援助が必要と相談があり、援助サービスが始まる。 当時は、妻は存命しており夫婦二人で生活していた。一人娘を数十年前に不慮の事故で亡くしてから二人ともうつ症状を発症し精神科に通院していた。妻が3年前に死去してから独居になった男性は、日中は布団に横になり、家の雨戸は閉めっぱなしで近所の付き合いは挨拶程度。本人はヘルパーの援助をうけたいと思っているためケアプランを立てる。


解決すべき課題

うつ症状がある閉じこもりがちな男性で、こだわりが強く、几帳面で他者との関わりを好まないため、ヘルパーの適切な援助が十分にできず、栄養不足や清潔の保持ができていない状態にある。妻が生存中には一緒に精神科を定期的に受診していたが今は行っていない。栄養不足のため主治医から通院時に点滴を受けており、入院検査も進められているが拒否している。日常生活動作の低下や視力低下により、自立した通院が困難。また、腰痛があるため買い物や掃除ができずに困っている。


援助の方針と働きかけ

 本人の在宅支援を支えるために、生活のペースや状況を配慮して行う。主治医やサービス事業所との連携をとりつつ、本人が住み慣れた家で安全で安心した生活を継続していけるように一緒に考えながら支援していく。


(1)当初の働きかけ

経済的なこともあり、本人はサービスの利用には消極的であった。洗濯やトイレ風呂掃除など清潔の保持のため必要と思われる援助については拒否がある(汚していて人に見られたくないようである)。デイサービスの利用を提案したがお金の不安や施設に自分が受け入れられるかの不安を理由に拒否される。しかし、ヘルパーやケアマネージャーの訪問の受け入れは良く、好意的に対応してくれる。無理難題を言う事もなくいつも感謝の言葉を口にしている。妻の死後一時は死にたいと自殺をほのめかす言動があったが、その時に市の高齢介護課に相談し、保健センターから看護師の訪問や、主治医、精神科医師、サービス事業所との協力や連携をとり、状態観察しながら、孤立しないよう援助を行った。


(2)状況の進展

本人が栄養失調の疑いで緊急入院したことで、他県から妹が駆け付けた。本人の状況を心配し、隣の市に住む妹の娘(姪)が中心となって今後の生活支援について相談することになった。一週間後に本人の退院の許可がおりると、病院のメディカルソーシャルワーカー・本人・家族との間で福祉用具の活用・ヘルパーの援助回数の見直し、デイサービスの利用を話し合った。その結果、ヘルパー援助回数の見直しとデイサービスの利用が決まった。


 結果とまとめ 

 入院を機に栄養失調の他には特に悪いところがないと分かり、本人が抱えていた病気に対する不安が解消され、生きていく自信がつくとともに、家族が心配してくれたことや介護サービス提供者が家族と一緒に見守ってくれるという安心を感じたことで、本人の心の扉が開かれたようで、以前にあった洗濯・トイレ掃除の拒否やデイサービス拒否がなくなり、歩行についても屋内では杖をつかなくなるほど改善された。最近は声のトーンにも勢いがあり、話しや表情も少し明るくなってきたように思われる。 信頼している主治医やヘルパーサービス事業所と連携をとり、本人の気持ちや自尊心を守りながら、訪問や関わりを持ち、ゆっくりと信頼関係を作り上げてきたことが、本人の気持を前向きにさせたと思われる。今後も、本人を中心とし、家族、主治医、サービス事業所と連携をとり、本人の意向や気持ちを大切に見守りながら、本人が孤独を感じないよう、住み慣れた家で生活できるよう支援していきたい。

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