本人像 80代 要介護3
利用までの経緯
開業医として働く中で、一度脳内出血で倒れ、リハビリをして復職し診療を続けていた。その後、脳梗塞も発症。息子が亡くなった時に脳梗塞を再発して失語症となる。室内では押し車を支えに歩行し、妻が介護をしている。本人には尿失禁があるが、リハビリパンツを使用することに拒否をしている。医者を引退して在宅生活をしているが、夫婦で家に閉じこもりがちな生活を心配した娘から相談がありサービス開始となる。
解決すべき課題
・外に出ていくことが負担になっており、家に閉じこもりがちの生活。
・歩行に不安があるため、外出時には外の階段の昇降が危険。
・リハビリパンツ着用拒否があるため妻のストレスや介護負担を軽減する必要がある。
援助の方針と働きかけ
・本人の意向を大切にしながら住環境の整備を行い、安全で快適な生活が送れるように支援する。
・妻の介護負担・ストレスの軽減のために通所サービス導入により妻の休息時間を確保する。
・身体清潔と楽しみのために通所サービスを利用し、他者とのコミュニケーションがとれるようにしていくと共に、軽い筋力トレーニングなどを取り入れた身体活動を導入することで機能低下を防止する。
訪問介護から通所サービスへの変更
ヘルパーの入浴介助にたいしては、最初は拒否が見られたが、入浴後のさっぱりとした清潔感に満足し、その後は少しずつ受け入れるようになっていった。療法士の訪問によるリハビリも導入したが、妻が他人の訪問に気苦労してしまう性格のため、訪問介護サービスから通所サービスへ変更となる。デイへの切り替えについては、娘や顔見知りのケアマネなどのスタッフが根気よく何度も誘いをかけることでデイサービスの利用にうまく移行できた。機嫌よくデイに行ってもらうために、送迎時には顔見知りのスタッフが対応するなどの配慮をした。
結果とまとめ
サービス導入には否定的であった利用者であるが、担当ヘルパーの声かけや丁寧な対応に次第に受け入れができるようになり、入浴することに満足感を得られるようになった。また、訪問介護から通所介護へサービスの変更を行うことにより、介護者である妻の要望にも応えられた。今後も家族の様子や要望に沿いながら状況に応じてケアプランを作成することで、本人・介護者の快適な在宅生活を支援できるようにサポートしていきたい。