本人像:80代 男性 認知症 要介護4
利用までの経緯
本人はいろいろな病気を経験し、現在一人で在宅生活を送っている。娘や息子は就労しており、夜は交代で泊まりに来ているが、日中一人にさせるのは不安なため、日中のトイレ誘導など身の回りの世話についてヘルパーを利用することになる。
解決すべき課題
本人はシベリアでの戦争体験があり、人の世話になるのが嫌。
入浴ができていないが、入浴は自分でするからと強く介護拒否するので、家族も困っている。
援助方針
家族の介護負担を軽減し、ゆとりのある介護にする。
ヘルパーの定期的な訪問で家族のいない間も安全を確保する。
利用中の働きかけ
ヘルパー導入当初は安否確認の訪問から始め、転倒予防の排泄介助をした。入浴ができていないと家族から相談があり、入浴サービスの利用を始めたが、人の世話になりたくないという強い思いがあり、戦争体験があるため何日も入浴できなくても平気なようであった。
入浴拒否への対応
認知症の方は、本人の意思を尊重しすぎると清潔保持ができないので、相手の様子を見ながらこちらのペースに乗せてサービスを提供する。例えば、入浴することを伺うと拒否されるため、洗面所で手を洗うように促したり、「足が汚れているから洗いましょう」と言って風呂場に誘導して服を脱いでもらい、そこから入浴の流れに乗せていく。また、入浴剤を処方箋袋に入れておき、「お医者さんから言われているからこれを入れてお風呂に入りましょ」と言って誘導するのも効果があった。
結果とまとめ
ヘルパーが入る事により、家族の介護負担が軽減されると共に日中の独居の不安も軽減した。週6回のヘルパー訪問により、水分補給やトイレ誘導、安否確認ができ、本人の状態も把握できた。これからもしっかり支援をしていきたい。