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タイトル
マーク 2010.10.19 line 訪問リハビリ(成功事例):安全な歩行を獲得し「岸和田だんじり祭り」に参加できた。

事例


(サービスに至る経緯)
くも膜下出血で右麻痺となったが日常生活動作はほぼ自立していた。しかし、てんかん発作を起こしいて以来、歩行に自信がなくなってしまい、外出する機会が減っていた。安全な歩行の獲得や復職に向けて作業療法士による専門的なリハビリを希望し、訪問リハビリの依頼に至る。


(開始時に状況)
・T字杖を用いて近隣までの散歩はできていたが、麻 痺側である右側の腰が引け、右下肢を振り回す歩き方であった。
・散歩の時には後方から接近する自転車や自動車に気が付かないことがあり、周囲へ注意を払うことが困難であった。
・約半年後にある「岸和田だんじり祭り」で息子が地区の団長をすることが決まっており、「岸和田だんじり」にどうしてもついて行きたいという強い希望があった。


(解決すべき課題)
・安定した歩行を獲得し、安全に外出することができる。
・「岸和田だんじり祭り」について行ける程度の歩行能力(速さ・耐久性)を獲得する。


(リハビリ目標)
短期目標:安全な屋外歩行能力の獲得(疲労の少ない歩き方で周囲へ注意を向けられる)
長期目標:岸和田だんじり祭りへの参加


(リハビリ内容)
効率の良い歩行の獲得を目指し、週2回の訪問リハビリを開始。
・麻痺側への荷重を意識させるバランス訓練。
・歩行や立ち上がり動作を通して麻痺した筋肉の運 動を再獲得する。
・屋外での様々な危険に注意できるような屋外歩行 練習。
・自主トレーニング指導。


ヒント


(経過)
開始時:自主トレーニングを指導するが、焦りからか過剰な運動量になりがちであった。足元ばかり見ながらの屋外歩行を毎日続け、延々と距離を伸ばそうと躍 起になっている様子である。又麻痺を強めるような歩き方になっており、このまま継続すればさらに麻痺を強めてしまう可能性があったので、日常での歩き方と 自主トレーニング指導を中心に行った。

2ヵ月後:歩行の様子をビデオに撮影し、「だんじり祭り」のDVDとともに見てもらうことで歩行の良いイメージ作りをした。自身の歩行を客観的に見てもらった。
3ヶ月後:自主トレーニングにおいても「だんじり」の速度と必要な距離を意識した歩行ができるようになるが、周囲の自動車や自転車に注意することはやや不十分。復職を考えているとのことで、それに向けてリハビリをしたいと希望が聞かれるようになる。
5ヵ月後:「だんじり」コースを実際に歩いてみるなど、より実践的な自主トレーニングを実施。復職後の事務作業能力獲得に向けて、右上肢巧緻動作訓練を追加する。
6ヵ月後:「だんじり祭り」に参加する。途中までは歩行で参加したが、後半は疲労のため車にのせてもらったとのことであった。息子の活躍を見ることができて満足し、「来年こそは歩いて参加するぞ」と意気込みも聞かれる。
8ヵ月後:復職を目標にリハビリ実施。事務作業に必須であるパソコン入力操作の獲得を目標に巧緻動作訓練を実施。自動車の運転に関して、条件付免許について情報提供を実施。


(現在の状況・結果)
・「岸和田だんじり祭り」に参加し、来年に向け歩行練習は続けている。

・出勤も2日に1回から開始し、徐々に出勤日を増やしていく。
・自動車免許も条件付で更新し、改造自動車の購入も決まったと喜んでいる。


(利用者の声)
本人の声:「また、だんじり祭りに参加できて本当にうれしい!まだまだ不安はあるが前向きに生活していきたい。」


(まとめ)
歩行訓練では、正しい知識がないと麻痺をさらに強めてしまうなどの可能性がある。今回のケースでは、歩行の様子をビデオ撮影し、客観的に自分の歩行を見て もらえたため適切な姿勢などが理解されやすく、効果的なリハビリができたといえる。又、訪問リハビリ以外でも的確な自主トレーニング量の指導・実施により 意欲を継続してもらうことができ、結果として目標を達成することができたと考える。

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